≪定年後就職のパターン≫
(1)定年延長の機会があり、そのまま今の会社に残る
(2)一旦退職して嘱託や契約社員として今の会社で働く
(3)今と別の会社に正社員として再就職する
(4)今と別の会社にパート(アルバイト)で働く
(5)定職に就かず、シルバー人材センターなどに登録して声がかかれば働く
(6)新たに自分で事業を始める
■ 定年延長制度について
2006年4月から「高齢者雇用安定法」が施行されました。これにより、企業は「定年延長を65歳まで引き上げる」か「定年制を廃止する」か「定年退職者のうち希望者を嘱託などの身分で引き続き継続雇用する制度を導入する」かのうち、どれかの制度を選択するように義務付けられました。
この法律が定着すれば、とりあえず65歳までは今の会社に残る道は確保されることになり、今まで変わらない仕事を続けたいと思う人にとっては朗報といえるでしょう。
■ 再就職への道
10年ほど前は高齢者に対しての有効求人倍率は0.1(求人1人に対して就職希望者が10人)という厳しい時代でした。ところが最近ではかなり改善されてきています。60歳以上65歳未満の有効求人倍率は2006年1月に0.59(全国ベース)、東京に限れば0.75まで上がっています。今後景気が順調に回復していけば、もっと就職しやすい環境になってくると思われます。
■ シルバー人材センターの活用
シルバー人材センターとは、60歳以上のシニア層を対象に、「就職」ではなく「就業の機会を提供する」組織のことです。シルバー人材センターの会員になるためには、下記の条件を満たし、入会の手続をとることが必要です。
・ 原則として60歳以上
・ シルバー人材センターの趣旨に賛同する
・ 会費を納入できる(一例として年会費1000円など)
会員として登録すると、センターが企業や家庭から引き受けた仕事を紹介してもらえます。ただしその内容は民間企業を圧迫しない程度のものとなります。
具体的には、建物や駐車場の管理、公園の清掃、庭の剪定、高齢者介護、中高年向けパソコン教師、ふすま貼りなどさまざまです。センターを通じ、仕事に必要な技術や知識を身につけるための研修を無料で身につけることもできます。
紹介された仕事は会員それぞれに配分され、各会員の業務内容や就業日数に応じて報酬が支払われます。ただ、収入や就業日数に保証はありません。1ヶ月の平均就業日数は10日前後、月平均の収入は約4万円といったところです。
注意点としては、シルバー人材センターと会員とは雇用関係ではないため、労災保険の適用はないということです。ただし万一の場合に備えて、民間の損害保険(センター団体傷害保険、総合賠償責任保険)に加入しています。
シルバー人材センターが行っている主な仕事
管理分野 |
公民館・駐車場・指定管理者制度に基づく施設管理など |
折衝・外交分野 |
広報などの配布・検針・集金など |
専門技術分野 |
補習教室講師 翻訳・通訳 家庭教師 経理事務 パソコンなど |
技術を必要とする分野 |
植木剪定 ふすま・障子貼り 大工仕事 ペンキ塗り 和洋裁 |
事務分野 |
文書管理 毛筆筆耕 宛名書き 受付事務 |
屋内外の一般作業 |
公園清掃 樹木消毒 除草・草刈り 包装など |
サービス分野 |
家事援助 子育て支援 介護サービス 観光ガイドなど |
(全国シルバーセンター事業協会ホームページより)
■ その他人材派遣関連いろいろ
名 称 |
内 容 |
問い合わせ先 |
民間人材派遣会社 |
派遣会社に登録、希望条件に合う仕事があれば紹介を受けられる。総務・人事・経理などの管理部門も多い。 |
株式会社 日本雇用創出機構(03-6832-7501)
テンブロス(0120-102-604) |
高齢者能力開発 情報センター |
60歳以上のシニアを対象に、無料で再就職情報や福祉情報を提供、仕事の斡旋などをする。 |
居住地の各自治体 |
高齢者職業相談室 |
主に55歳以上が対象。定年後も定期的に働きたい人が気軽に無料で相談できる。 |
全国の社会福祉協議会など |
JICA
(国際協力機構) |
「シニア海外ボランティア」を年2回募集。40歳〜69歳までが対象。1年間または2年間の海外派遣。現地では生活費など支給。 |
JICA地球広場
03-3406-5273 |
■ 新たに自分で事業を始める道
別ページ≪定年後起業≫をご覧下さい。
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