年金

      アクティブ・シニアのための
           生き生きセカンドライフのすすめ



◆ 年金の基礎知識 ◆


年金をもらえる年齢と金額を知ろう

セカンドライフを支える収入の柱となるものは年金です。しかし少子高齢化の進行で財政事情は厳しく、先行きも明るい見通しが立たない状況です。自分が受取る年金を理解し、しっかりとしたマネー・プランを立てましょう。


 
公的年金は全国民共通の横断的な国民年金、民間のサラリーマンやOLが加入する厚生年金、公務員や市立学校教職員が加入する共済年金からなっています。
 
(1)国民年金
  国民年金は基礎年金とも言われ、公的年金の1階部分になり、厚生年金、あるい
  は共済年金はその上に乗る形で2階部分になります。
 
  サラリーマンは給料から厚生年金だけが天引きされているため「国民年金には入
  っていない」と思っている人も結構いるようですが、実は厚生年金の天引の中に
  国民年金保険料も入っています。







いつからもらえる?
  「老齢基礎年金」(国民年金から支給される老後の年金)が支給されるのは65歳
  からです。年金保険料を合計25年以上納めていればもらえます。
 
いくらもらえる?
  満額(20〜60歳の40年)で792,100円(年間)ということは月に約6万6千円
  ですね。
  40年で約80万ということは1年当り2万円の計算になるわけで、25年納めた人は
  約50万円ということになります。
 
  この法律が定着すれば、とりあえず65歳までは今の会社に残る道は確保されるこ
  とになり、今まで変わらない仕事を続けたいと思う人にとっては朗報といえるで
  しょう。
 
減ってもいいから早く受取りたい

  という人のために繰上げ受給という制度があります。
  1ヶ月当り0.5%減る計算なので、1年で6%の減となります。
 
  ということは、60歳からもらうと5年(60ヶ月)で何と30%の減になります。
  しかも、一度そのように決めると後で変更は効きませんので、以降ずっと30%減
  の金額が死ぬまで続くことになります。
 
  しかも、障害者や寡婦になっても障害基礎年金や寡婦年金が支給されなくなりま
  す。なので、できれば65歳まで頑張った方があとあとのためにはいい、というこ
  とになります。
 

(2)厚生年金
  厚生年金は民間のサラリーマンやOLが老齢基礎年金の上乗せとしてもらえる年
  金です。
 
いつからもらえる?
  もともとは「老齢厚生年金」として60歳から支給されていました。しかし昭和
  61年4月の年金制度改革により受給開始年齢が段階的に引き上げられることにな
  りました。
 
  そこで経過措置として、65歳まで期間限定の年金を支給することにしたのが
  「特別支給の老齢厚生年金」です。これには「定額部分」と「報酬比例部分」と
  からなっています。
 
  「定額部分」は65歳からの老齢基礎年金に該当します。「報酬比例部分」は65
  歳からの老齢厚生年金に該当します。具体的には以下のようになります。

生年月日(昭和) 報酬比例部分 定額部分
男 16.4.1以前
女 21.4.1以前
60歳 60歳
男 16.4.2〜18.4.1
女 21.4.2〜23.4.1
60歳 61歳
男 18.4.2〜20.4.1
女 23.4.2〜25.4.1
60歳 62歳
男 20.4.2〜22.4.1
女 25.4.2〜27.4.1
60歳 63歳
男 22.4.2〜24.4.1
女 27.4.2〜29.4.1
60歳 64歳
男 24.4.2〜28.4.1
女 29.4.2〜33.4.1
60歳 65歳
男 28.4.2〜30.4.1 
女 33.4.2〜35.4.1
61歳 65歳
男 30.4.2〜32.4.1
女 35.4.2〜37.4.1
62歳 65歳
男 32.4.2〜34.4.1
女 37.4.2〜39.4.1
63歳 65歳
男 34.4.2〜36.4.1 
女 39.4.2〜41.4.1
64歳 65歳
男 36.4.2以降
女 31.4.2以降
65歳 65歳

 
いくらもらえる?
  老齢基礎年金に上乗せされて支払われる老齢厚生年金は、平均標準報酬額、
  生年月日別支給乗率、保険料を納めた月数によって計算します。
 
  しかし老齢厚生年金の算出はかなり複雑なものとなっているので、目安だけご紹
  介します。
 
  1.男性で平均的な給料、女性でも男性並みの給料をもらっていたという方は、
    加入1年当り3万円

  2・人並みよりも稼いでいたという方は加入1年当り4〜5万円

  3.若いときに数年のOL経験や再就職で低い給料で働いていた女性は加入1年
    当り1万円

  4.正社員である程度の昇給をしながら長く働いたという女性は加入1年当り2万
    円

  5.40年間事務職として働いてきた平均的な男性は、老齢基礎年金と合わせて
    年間200万円

  6.短大卒業後比較的恵まれた職場で定年まで40年間事務職として働いた女性は
    年間160万円
 
もっと詳しく知りたい
  という方は、日本年金機構(旧社会保険庁)のHPで調べることができます。
  . 「年金Q&A
  . 「『ねんきんネット』サービス
  . 「年金見込額試算
  . 「年金加入記録照会・年金見込額試算

 
 年金見込額試算は50歳以上の方を
 対象と しています。基礎年金番号
 の入力が必要となりますので、予め
 総務部などで自分の番号を確認し
 ておくことが必要になります。
 なお結果は社会保険庁から郵送さ
 れます。
 


 

 
(3)年金その他
 ■ 加給年金
   あなたの奥さんが年下だとしますと、あなたが65歳になっても奥さんが65歳
   になるまであなた一人分の年金しかもらえないことになります。またその時ま
   だ高校生とか中学生の子供がいたとしたら、それも厳しいですよね。
 
   そこで、一定の要件を満たすことで一定の額が支給される加給年金という上乗
   せ制度が用意されています。これは一定の配偶者や子供がいることで受け取れ
   る上乗せ年金であることから「家族手当」のようなものと理解しておくといい
   でしょう。
 
   その要件とは、簡単にいうと
     @厚生年金の加入期間が20年以上である
     A家族は65歳未満の配偶者や18歳の年度末までの子供がいる
     B配偶者の前年年収が850万円未満(※)
   
     ※ ただし、850万円以上でも、5年以内に定年退職などで850万円未満に
       なることが明らかな場合には850万円とみなされます。

加給年金の年額(平成29年度)
対象 加給年金額 条件
配偶者 224,300円 65歳未満
1人目・2人目の子 各224,300円 18歳到達年度の末日までの子、または1級2級の障害のある20歳未満の子
3人目以降の子 各74,800円 18歳到達年度の末日までの子、または1級2級の障害のある20歳未満の子

なお、老齢厚生年金または退職共済年金の受給者が昭和9年以降生まれなら、加給年金にプラスして特別加算も支給されます。

特別加算額の年額(平成29年度)
受給者の生年月日 特別加算額
昭和9年4月2日〜昭和15年4月1日 33,100円
昭和15年4月2日〜昭和16年4月1日 66,200円
昭和16年4月2日〜昭和17年4月1日 99,300円
昭和17年4月2日〜昭和18年4月1日 132,300円
昭和18年4月2日〜   165,500円


特別加算を加えた加給年金の額(平成29年度)
受給者の生年月日 配偶者加給年金額
昭和9年4月2日〜昭和15年4月1日 257,400円
昭和15年4月2日〜昭和16年4月1日 290,500円
昭和16年4月2日〜昭和17年4月1日 323,600円
昭和17年4月2日〜昭和18年4月1日 356,600円
昭和18年4月2日〜   389,800円


「振替年金」
  上記の加給年金をもらっているうちに妻が65歳になったとします。すなわち老齢
  基礎年金が受給されるようになると、そのときから夫の加給年金はなくなり、
  代わりに妻の老齢年金に振替加算がつくようになります。つまり振替加算とは、
  夫の年金についていた加給年金が妻の年金に振り替わるのです。 
「在職老齢年金」
  60歳以上で、会社に在職して厚生年金に加入している人(被保険者)に支給され
  る年金を「在職老齢年金」といいます。平均報酬月額によって年金の一部や全部
  が停止となる場合があります。ただし、会社に勤務していても、非常勤やパート
  など厚生年金に未加入の場合には、年金の削減や停止はありません。
 
  以前は、厚生年金に加入できるのは65歳未満まででしたが、平成14年4月から
  70歳未満までに引上げられたため、現在の在職老齢年金は「65歳未満の在職
  老齢年金」と「65歳以上の在職老齢年金」の2種類があり、それぞれに計算方式
  が違っています。

≪65歳未満の在職老齢年金≫
  月収(総報酬月額相当額といって1か月分の給料+過去1年の賞与を12で割った
  金額)と、1ヶ月当りの年金の合計額。これが28万円を超えていなければ老齢厚
  生年金の報酬比例部分が全額支給されます。
 
  ところがこれが28万円を超えたら、超過した分の半分が減額されて支給されま
  す。
 
  例えば、月収30万円、報酬比例部分の年金の基本月給が8万円の人の場合は
  どうでしょう。
 
   
   30万円+8万円=38万円
   38万円−28万円=10万円
   10万円÷2=5万円
 
  基本月額8万円−5万円=3万円
  (つまり5万円減額され、3万円が
   在職老齢年金の額となります)


 
≪65歳以上の在職老齢年金≫
  65歳以上になるとどんなに月収が多くても老齢基礎年金は全額もらえます。
  さらに、老齢厚生年金と月収の合計が46万円以下であれば在職老齢年金は
  全額もらえます。
 
  ところがこれが46万円を超えたら、超過した分の半分が減額されて支給されま
  す。




国民年金基金
  国民年金基金制度は、自営業者などの国民年金の第1号被保険者のための、
  国民年金(老齢基礎年金)の上乗せとなる制度です。
 
  サラリーマンなどの第2号被保険者は、もともと国民年金に上乗せして厚生年金
  に加入しているので、国民年金だけにしか加入していない自営業者などの国民年
  金の第1号被保険者とでは、将来受け取る年金額に大きな差が生じます。
 
  そのため、この差を解消するための制度として国民年金基金制度は創設されまし
  た。
 
  国民年金基金には「地域型」と「職能型」の2種類があります。
 
  「地域型」は各都道府県にあります。「職能型」は、定められた事業などに従事
  する人が加入できるものです。両方とも制度の内容は同じで、どちらか一つにし
  か加入できません。
 
  国民年金基金のかけ金は、国民年金と同じく社会保険料控除の対象となるなど
  優遇措置があり、自営業の方には大変有利な制度です。



厚生年金基金
  厚生年金基金は、厚生年金の老齢給付の一部分を国に代行して運営し支給を
  する、という制度で、企業年金の一つです。
 
  厚生年金基金は、政府代行として支給される部分に加えて、各基金ごとに定めら
  れた独自のプラス・アルファを加えた年金を支給することを条件に厚生労働大臣
  の認可を受けている年金制度です。
 
  このプラス・アルファ部分の内容は各基金によって大きく異なっていて、例え
  ば、報酬比例部分の年金額を1000分の0.1程度上乗せしたものや、退職金制度を
  厚生年金基金に組み込んだものなど、給付の水準が各基金によって違っていま
  す。

  加入は、個人でではなく企業や組合などの単位が行うもので、加入している会社
  の社員は(経営者や役員などを含む)全員が加入することになります。
   
【日本年金機構のホームページ】
  http://www.nenkin.go.jp/index.html



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