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■ 定年後の生活費はいくら必要?
生命保険文化センターが老後を夫婦二人で暮らしていくうえで、日常の生活費として月々いくら必要かというアンケート調査を実施したところ、最低限の生活費は平均232,000円、ゆとりのある生活費は平均383,000円という結果が出ています。(平成19年度)
■ 定年後の生活費は1ヶ月にどのくらいかかる
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(60歳〜69歳) |
(70歳以上) |
食費 |
69,240円 |
61,939円 |
住居費 |
12,725円 |
15,438円 |
光熱・水道 |
21,853円 |
20,896円 |
家具・家事用品費 |
10,374円 |
9,494円 |
被服及び履物 |
10,216円 |
8,090円 |
保険・医療費 |
14,889円 |
15,175円 |
交通・通信費 |
33,111円 |
21,883円 |
教育費 |
1,457円 |
1,214円 |
教養・娯楽費 |
30,542円 |
26,868円 |
交際費・仕送り金その他 |
72,569円 |
59,099円 |
合 計 |
276,977円 |
240,096円 |
○ 会社員Aさんのセカンドライフの収支見通しを立ててみることにしましょう
ポイント1
≪定年後の生活を描いてみましょう≫
・ 何歳まで働くか
・ 定年時、妻は何歳か
・ 現在の生活水準を維持したいか
ポイント2
≪生活費を試算してみましょう≫
・ 定年後、何歳まで生きると想定するか
・ 自分が死亡後、妻は何年生きる?
・ 定年時に住宅ローンは完済?
・ 現在の毎月の生活費
・ 定年後の住居費
ポイント3
≪定年後の出来事、リスクを想定してみましょう≫
・ 子供の結婚式(援助)にかかる費用
・ 夫婦で海外旅行の計画は?
・ 住宅のメンテナンス費用
・ 車の買い替えの予定?
・ 家族の病気・怪我・災害など万一のリスク
ポイント4
≪収入を把握しましょう≫
・ 公的年金の受取額はいくらになるか
・ 企業年金(退職金)はいくらになるか
・ 生命保険にはいっているか
・ 定年後、再就職した場合の収入
ポイント5
≪自分の純資産を把握しましょう≫ (バランスシートの活用)
≪資産≫ |
≪負債≫ |
現金・預貯金 |
住宅ローン |
株式・債券・投資信託など |
車その他のローン |
積立型保険・財形など |
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ゴルフ会員権・リゾート会員権 |
≪純資産≫ |
車 |
?円 |
自宅 |
ポイント6
≪親からの資産相続にも注意しよう≫
・遺言状を頼めるのならお願いしたいところ
・親の介護が必要ならその費用負担もでてくる
■ 会社員Aさんの定年後生活費の試算
(定年後の生活)
・ 60歳の定年まで働くつもり。
・ できるだけ現在の水準を維持したい。
(生活費試算)
・ 自分は80歳まで生き、セカンドライフは20年と仮定。
・ 妻は自分の死亡後10年生きると仮定。
・ 定年時子供は独立。住宅ローンは完済。
・ 現在の生活費は月40万円。
・ 定年後は現在の80%の水準。
・ 妻が一人になったら50%の水準。
≪計算式≫
40万円×80%×240ヶ月=7680万円
40万円×50%×120ヶ月=2400万円
合計 1億80万円……(A)
(定年後の出来事、リスク)
・ 娘・息子の結婚資金を援助するか。
・ 夫婦で海外旅行の計画は?
・ 自宅の修理も必要。
・ 車の買替え予定。
・ 家族の病気・ケガなど。
・ 親の介護・入院など。
・ 子供たちの結婚資金援助 300万円
・ 夫婦で海外旅行 100万円
・ 住宅修理・メンテ 500万円
・ 車買替え 200万円
・ 家族の病気けが 100万円
・ 親の介護・入院 300万円
・ 万一の予備費 200万円
合 計 1700万円……(B)
(定年後の収入)
・ 公的年金(20年分) 5000万円
・ 退職金 2000万円
・ Aさんの死亡保険金 1500万円
合 計 8500万円……(C)
(純資産)
・ Aさんの純資産は 2000万円……(D)
(親からの相続)
・ Aさんの場合は 500万円……(E)
【Aさんの収支見通し】
(C)+(D)+(E)−(A)−(B)=780万円の赤字
Aさんの場合は780万円の赤字ということになりました。この金額が定年までに貯めておきたい目標額となります。
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